神社は未完成?その理由と日本の心

神社は未完成?その理由と日本の心

完成してしまえば後は朽ちていく

日本には古来から『完成してしまえば後は朽ちていく』と考えられてきました。
完成させない事によって永遠に続くようにと願われたのです。

神社の飾りを一つ裏返してあったり、傘をわざと忘れたふりをして置きっぱなしにしているというように神社では様々な形の未完成があります。

有名な例を上げますと神宮(伊勢神宮)での式年遷宮はそれにあたります。
20年に一度、社殿の位置を変えて神様も新しい社殿にうつられます。

このように常に作りかけ、未完成な状態を保つことで神様、神社が永久に反映するように願われています。


古くから山全体が信仰対象とされる稲荷山には、清少納言も詣でたことが『枕草子』に書かれております。
願いが通るという意味から多数の朱色の鳥居が奉納されて、今日に至ります。

応仁の乱で焼失した本殿は、1499年に再建された後、幾度かの修造を重ねて、現在は重要文化財に指定されています。
また、お茶屋は水尾院から拝領し、伏見稲荷大社に移建されました。

御所の御殿でこれも常用文化財となっています。
楼門は、豊臣秀吉が母の病気治癒祈願が成就したため寄進されたものです。

現在は特に商売繁盛の神様として信仰を集めており、正月には全国から多くの人々が初詣に訪れるほか、2月の初牛祭、5月3日の稲荷祭、11月8日の火焚祭も多くの参拝者でにぎわいます。

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